家庭内電力消費量を見える化してみた

はじめに

Arduino や mbed 使って、ソフトウェアによってゴニョゴニョすることで最近のIoT的なことをしてみましたという話では なく、単にそのへんの商品を買ってみて使った感想になります。

プログラミング絡めたお話を期待していた方はこちらが参考になります。

スマートメーターの情報を最安ハードウェアで引っこ抜く - Qiita

この辺ちゃんとやるには少し時間が必要そう & うちの賃貸マンションが古すぎて色々面倒だったので今回はショートカットしました。

きっかけ

バーミキュラ ライスポットという家電を購入しました。 端的に言うと、電気の力で温度コントロールを精密に行うことで従来の火力を使った料理では難しかった調理手法を実現するおよび火を使わないので調理時間中不在にしていてもよいという利点があります。 商品自体は「世界一おいしくお米が炊ける」と売りにしていますが自分が気に入ったのは上記点です。

購入する前から予想はしていましたがブレーカーの落ちる確率が上昇しました。 これまでもたまに落ちていたのですがそのトリガーが増えた形になります。つまり家庭内電力消費量があがりました。

そのため、どの機器とどの機器の組み合わせが「ブレーカが落ちる」という悲劇を起こすか、経験から予想は大体ついていますが数値でもリアルタイムで見える化し、「現在このくらい使ってるからもう少し他の機器を動作させても大丈夫」という判断材料にしたいというのが動機です。

参考) うちの環境

30A で契約しています。厳しくなってきたので40Aにしようか考え中。

主に電力を使用する家電たち

  • 電子レンジ・オーブン・トースター
  • 炊飯器
  • 食洗機 (感覚的にはこれが最強消費)
  • アイロン
  • 洗濯乾燥機 (主に乾燥機)
  • エアコン
  • 加湿器 (スチーム式)
  • (New) バーミキュラ ライスポット

大体冬だと、加湿器、エアコンつけてて、洗濯乾燥機を使ってるところへうっかりレンジを使ったりすると落ちます。ブレーカーおちると食洗機だったり、洗濯機だったりは直前の状態を記憶してないのでまた最初から選択し直しになって困ります。

あれこれ

最近の新築マンションではあったりするし、知り合いで家を建てた人もソーラーパネルをつけるのとあわせて家庭内電力を見える化していました。 スマートメーターとかHEMSとか取り組みはそれなりにあって、2020年までに東京電力は対象全世帯にスマートメーター導入といっていますのでそれらを利用するのがいいのですが、が少し先なのでどうやって現在の電力使用量を分かるようにしようかなとなやんでてさがしたら見つけた測定機器のレビューです。

コンセントにさして、それぞれの機器の電力消費量を測定する機器の存在は知っていましたが配電盤に接続することで家庭内全体の使用量を測定できるものがすでに販売されていたことはとても助かりました。

購入した商品

Oregon Scientific 無線電力系 節電アドバイザー EMS100J

mbed / Arduiono / Raspberry Pie などで行う場合、電源をどうやって確保するかを悩むので 電池で動作するのはうれしいですね。

設定方法

設定方法はとても簡単で配電盤のケーブルに付属のクリップ(クランプ)で挟むだけです。 ケーブルをむき出しにしたり、配線を変えたりする必要がなく、これは便利。 配電盤の配線の種類によって、単相2線、単相3線、三相3線または三相4線とあり、クリップで挟む本数も変わります。うちは単相2線だったので1つつけるだけでした。

ちなみに電気代単価を入力する必要があるのですが以下のサイトを私は参考にしました。 料金単価表‐電灯(従来からの料金プラン)|電気料金プラン|東京電力エナジーパートナー株式会社

初期値は18.89円になっています。 電気量料金は第一段階料金から第三段階料金まであり、使用量が増えるほど高くなります。 本製品には段階ごとに設定値を変更する機能はないのでざっと平均として26円を私は設定しました。

注意事項

説明書にも書いてありますが、電波が障害物に遮蔽されると通信可能距離にかなり影響が出ます。 仕様上は20mとなっていますが、ドアを締めたりするだけで受信できなくなったことが多くありました。 当初は配電盤の中に一緒にこの機器も入れて外から見えないようにしていたのですが、たまにキッチンまで届かないことがあり、諦めて外に出しました。 配電盤のケースは金属製も多いと思うのでこの点でも中に入れるのは不適かと思います。

不満点

  • 表示の切り替え方式

表示の切り替えを行うためには後ろのボタンのアップ / ダウン ボタンを押下する必要があるのですが基本的に電池保護カバーに覆われているため、設定を変えたい度カバーを外して行う必要があります。 このインターフェースはどうにかならなかったのかなと思います。

  • 電波の受信強度

正しく電波が受信できているかは、「通信のリンクが切れたタイミングで液晶表示が “—-“ になります。 ただ、どのくらい弱いのかとか、同じ距離でも電波の強弱変動はあるのかなど知りたいと思うので もう少し改善ほしいなと。

(その後使ってみて)20mまで対応となっていますが3mくらいでも受信できない時があります。 きっかけなども分かってません。一度切れるとかなり近くまで持っていって電波の規格を知りたい。

  • 「長押し」の定義

説明書には設定時、「ボタンを長押し」とあるのですがどのくらい押せばよいのかまったく分かりません。 10秒以上押してようやく出来たときもあったような。

  • タイムラグがおもったよりある

製品側の問題なのか配電盤の仕組みの問題なのか分かりませんが体感的に1分以上遅れて表示 されているように感じます。 設定では12秒おきに更新としていますが実際に今の使用状況が反映されるのには時間がかかります。

全体評価

期待したとおりの数値がとれて満足です。 受信表示メータを持ち運べるのは便利ですね。(後述しますがやや不満あります) 実際、どのくらい消費しているか目安がわかると今後は使わなくなる気がしますね。

その他

スマートメーターが普及したら、ブレーカーを落とさずにうまくコントロールできる仕組みがほしいですね。 強制的に電源を落とすのは通信機器が増えている中で色々問題があるように思います。

Written on April 15, 2017